
日頃よりご愛顧いただきまして誠にありがとうございます。
2025年、 CRUSHCRASHPROJECT のブランドの1つである「EASY LIFE (イージーライフ)」 が、
この度20周年を迎えることが出来ました。
今回は 「EASYLIFE (イージーライフ)」 の20周年を記念して、人気のEASY LIFE (イージーライフ)ロングセラー商品について森 (CRASHブランド統括マネージャー)に当時を知るメンバーも含めたEASY LIFE 20周年企画チームでインタビューを行いました。
【ご紹介する商品】
マルケッシュ、リン、アルネ、ピノ、ディディ、スラット、アウロ
森 (CRASHブランド統括マネージャー)
interviewer
EASY LIFE20周年企画チーム
(光浦・松本・田嶋・松尾)
■マルケッシュ ダイニングチェア
(ケレス:2006年から販売、その後ケレスの後継品としてマルケッシュとなり2016年から販売)


田嶋:マルケッシュは元々ケレス(チェア)という商品の後継品ですか?
森:そうだね、ケレスという商品だったよ。ケレスはもう少し丸く、脚の膨らみが逆だったと思う。先細りじゃなくて、先太りでもっとぽてっとしてた感じだったかな。
光浦:そうでしたね!もっと今のマルケッシュよりぼてぼてっとした感じでした。
なぜモデル変更しようと思ったんですか?
森:ケレス自体少し重かったのと、サイズ的に大きかったんだよね。それに比べてマルケッシュはだいぶコンパクトになった。肘無しは肘がないからもちろんコンパクトなんだけど、「肘付きでこのコンパクトなサイズ」みたいなのはあんまり市場にはないかもしれない。
私が座ったらギリギリですね。一応入ってますけど(笑)
結構攻めたサイズ感ではあるかなと。
光浦:売れるポイントってなんだと思いますか?価格以外でお願いします(笑)
森:なんだろね。価格でしょうね(笑)もともと肘付きと肘無しの価格差はほとんどなかったね。肘付きが、かなり割安に見えていたんだと思う。
だいぶ初めの頃は、それでヒットしたね。

田嶋:マルケッシュを作成するうえで苦労したところはありますか?
森:特にないかな。というのも他社の工場で作った際に接いでいる部分の境目から色が全く異なるものがあったんだけれど、マルケッシュを作っている工場は合わせる人のセンスが良くて、苦労しないね。どういう材を継ぎ合わせたらいいのか選別がうまいと思うんだよね。
松本:ミース(ダイニングテーブル)に合わせる椅子を、マルケッシュやリーマ(チェア)で売り場提案すると結構な確率で決定していただくことが多いですね。
森:マルケッシュのようなモデルは普遍的にずっと売れ続けると思うし、ここからアレンジをかけなくてもなくならない形だろうなと思います。WF-2(WF-1が先行して販売、WF-2はやや深めの色味)も出てきたので更に売れたら良いなと思います。
■リン ダイニングチェア(2006年)

光浦:リンの形って懐かしい感じがしますよね。
森:昭和のおばあちゃん家にあったようなハイバックの椅子をイメージして作ったかな。一番王道の形と言えばこの形という感じではあるけど、リンは背の部分が低い。その当時はダイニングチェアもほぼハイバックかボリュームタイプだったから、ローバックは珍しく「売れるのか」という空気感だったね。当初と変更したところはフレームの組み方で段差が出ることがあったから、綺麗に段差をなくすために背の部分は組み方を変えたかな。

光浦:リンと一緒に出したモコ(チェア)は、どちらが反応よかったですか?
森:どっちも売れてたよ!当時はリンとモコの2脚しか椅子がなかったから、「テーブル1台にそれぞれの椅子2脚ずつ合わせてください」みたいな提案をよくしたね(笑)
リンとモコはサイズ感や高さを合わせてシリーズとして出していた。だから今のリンはコンパクトだけど、昔は少しサイズがおおきかったんだよね。
■アルネ ソファ(2006年)

光浦:アルネは初期のデザインからなにか、変更しましたか?
森:当時のアルネソファは座面の高さがもっと高かったね。変更点は座面の高さが低くなったぐらいじゃないかな。
あの頃スポークモデルみたいなのは、お客さんの要望もあってね。ヨーロッパの古道具を販売してるようなお店を中心に、スポーク系の商品を販売してもらっていたからそのお店に、はまるようなデザインをした。
※スポーク→細い棒状の部材(スポーク)を背もたれなどに用いた家具

当時のカタログに掲載されているベルベット生地のアルネ
光浦:一番初めはベロア生地でしたよね?
森:最初これは昭和っぽい感じで作りたくて。その頃ベロアソファが流行り出してきた時だったから、ベルベット生地を採用した。
形状はアメリカのビンテージソファの少しシュッとしてるのを作りたかったから、直線的なところを意識して作ってる感じだね。クッションの収まりがいいっていうのもあるけど、クッションの肘部分の片面はストンとしている。
基本的にこういう細いラインのモデルで、木フレームでソファを作るのは結構難しいっちゃ難しい。ボリュームで直線的に作る方が簡単だったりするし、コスト的にも安いよね。
光浦:肘が難しいんですか?
森:肘のカーブが難しい。意外とバランス出すのも難しいんじゃないかな。
松本: アルネソファの思い出はいっぱいあって、東京の事務所で働いている時に納品で結婚式場に行ったら、アルネが置かれていたんです。当時はぼんやりだったので再度現場の近くを通ったときに見たらやっぱアルネなんじゃないかって。クッションとかくたくただったんですけど、17年前からそういった事例案件でアルネが使われていて、それが今でもあるというのはすごいなと思います。
光浦:私も結婚式場で見たよ!!
松本:おお!アルネはずっと第一線で活躍している感じですよね。
田嶋:アルネの売れるポイントはありますか?
森:座面の奥行きが浅くてサイズ的にかなりコンパクトなのも、選ばれているひとつの理由だと思う。ハイバックじゃなかったのがよかったね。座り心地を無視したわけじゃないけどやっぱり座りを重視すると基本的にハイバックになる。CRASHのソファは部屋に置いた時も圧迫感がないものでやっているからね。
■ピノ チェア(2008年)


森:ピノは蚤の市で買った椅子がお気に入りで作ったんだよね。未だに買った椅子は家で使っているよ。
松本:そういえば、この椅子餃子屋さんにありましたよ!
光浦:ピノはデスクに合わせているイメージですが、もともとそうではなかったんですか?
森:まあ、ダイニングだよね。
光浦:子供用とかじゃなくてですか?
森:子供用とかじゃなくても大人が使ってもいいと思う。昔の人は大人も小柄な人が多かったからかな。昭和の椅子とかを見るとかなり椅子も小さいよね。フレームも華奢だし。高さはハイバックだけど、やたら細いよね。うちではダイニングで大人も使っているよ。

光浦:もっとダイニングに合わせて使ってほしいですか?最近のイメージ写真はデスクに合わせてあるから、デスク用と思ってました。
森:デスク用と決まっているわけではないよ。全然この組み合わせで使ってもらってもいいけどね。(そばにあるダイニングテーブルに合わせる)
意外とこのサイズ便利なんだよ。邪魔にならないし。子供にもちょうどいい。
■チップ・ディディ デスク(2008年)

光浦:デスクが欲しいとかの要望で、開発されたんですか?
森:確かリビング用みたいなので考えていたのかな。
元のデザインは、小学校で生徒が使ってるデスクや職員室で先生が使っているデスクを参考にしたんだよね。
光浦:リビングで学習みたいなのは、その頃から流行り始めていたんですか?
森:いやいや最初はデスクじゃなくて、ミラーまで含めて一緒に鏡台として作った。
このサイズのデスクは、なかなかないよね。
光浦:結構奥行も狭いですもんね。
森:あとは、当初と違って今は引手とネームプレートを変えたかな。ノットアンティークスのビンテージ系のアイテムが増えてきて、そこに寄せてミックスできるように引手を木からスチールに変えたんだよね。

光浦:なぜツインを作ろうと思ったんですか?
森:まあ、展示会とかで何か言われたのかもしれないね。覚えてはないけど。
光浦:諸説あります(笑)
森:最初はチップだけあって、「左右で引出しを付け替えられますよ」という提案をしていた。だけど引出しを固定してツインでもいけるんじゃないかって思って、ツインにしたんだよね。初めはチップしか作ってなくて、後からディディを追加した感じかな。
田:名前の由来はありますか?
森:本当はチップといえばの某有名キャラクターにしようかなと思ってたんだけど。
光浦:止めた気がします(笑)
森:兄弟モデルとしてね、覚えやすいかなと思って。チップといえばの某有名キャラクター知ってる?
窪山(飛び入り参加):わかりますよ!あのハムスターみたいな…
全員:リスだよ(笑)
■スラット テレビボード(2009年)

森:この時のソファは全部座高が高かったんだよね。だからソファに合わせてスラットのハイタイプっていうのを作ってたんだと思う。
その後高さが高すぎるっていうお客さんのためにロータイプを作ったかな。
光浦:じゃあハイタイプから始まったんですね。
田嶋:今はテレビボードを持つ人が少なくなっていると思うのですが、おすすめの使い方はありますか?
森:テレビボード以外にもハイタイプで使ってもらって、サイドボード的な扱いで使うのもいいんじゃないかな。コレクションボードとしての使い方や、もちろんテレビボードでもいいと思います。
■アウロ コーヒーテーブル(2016年)

森:アウロは当初無垢素材で作られていたけれど、価格高騰などの影響もあって今のコーヒーテーブルは突板になっちゃんだよね。もともとシリーズであったテレビボードとかのデザインやコーナーの組み方はそのまま引き継いでいるよ。
はじめはウォールナットとオーク材のツートンで作っていて、シンプルナチュラルテイストだったね。だけどノットアンティークスにも合わせられるように取っ手の部分などは木じゃなくてスチールに変えたかな。
松本:今も売れている商品だけど、昔アウロを重点的に商談で提案して、よく決まっていました。
あれはどっちが前?ってよく聞かれてましたね(笑)
森:アウロコーヒーテーブルの引き出し部分を浅くしているのは、ソファ側に置く際に引出しを引き出すスペースってそんなにとれないから、表面は引出し部分を浅く設計して、逆に反対側の裏面はフリースペースにして雑誌やティッシュなどを収納できる奥行になっているから、使い勝手のいいテーブルだと思います。どちらが前でも問題はないです。
アウロのデザインも普遍的な形で、まだまだ続いていく商品なのかなと思います。
今後ともアウロをよろしくお願いします。
■まとめ
今回のインタビューを通して、イージーライフの商品は昭和の家具の影響や、その当時の流行りのテイストに合わせたデザインを取り入れていることがことがわかりました。「長く続けられるものを作る」という想いは、ブランドが始まってから今もなお変わらず大切にされていることが、森さんの話の端々から感じとることができました。
だからこそ、シンプルで飽きのこないイージーライフの商品は20周年を迎えられ、これからも暮らしに寄り添いながらずっと愛され続けていくのだと思います。
EASYLIFE 20周年企画チームより
気づけば昔も今も、日本の昔の古いものが好きなんだなって思います。
森 (CRASHブランド統括マネージャ)より